日本一短い手紙「いのち」

福井県丸岡町が毎年公募する「一筆啓上賞ー日本一短い手紙」の2001年度は、テーマが「いのち」。2001年米国同時テロが重なり、さまざまな想いが寄せられた。その中から、一筆啓上賞10篇を紹介します。また、小生が独断偏見で選んだいくつかの作品も紹介します。
<一筆啓上賞>
どんなにキレイな音を奏でても、このいのちの鼓動にはかなわない。浅見佳苗(千葉県14歳)

幾つもの命と繋がってるやん命って。繋がった命やから、失うと悲しいねんな。上古代瞳(奈良県14歳)

うさぎは淋しいと死んでしまうらしいよ。私たちと同じだね。河原崎ひろみ(東京都14歳)

「一人暮らしの大の字で、横を見るとアリがいる。こいつも俺も、生きているんだなあ。」 木下和夫(大阪府54歳)

ひとつ。ひとつ。ひとつ。ひとつ。ひとつ。ひとつ。ひとつ。ひとつ。ひとつ。命。小林俊輔(神奈川県18歳)

「いのち」の終りに三日下さい。母とひなかざり。貴男と観覧車に。子供達と茶碗蒸しを。下元政代(高知県51歳)

「お前のために」って言葉が僕の命に責任(おもり)をのせる。教えて、この命誰のなの? 寺田弘晃(福井県17歳)

葬式の時は空気が微妙にぬるい 人間と悲しさが空気に溶けている 水野綾香(愛知県14歳)

いのちがおわるときも、夏休みがおわるときのように、短かったと思うのかなあ。緑川なつみ(神奈川県14歳)

仕返ししてどうするの たくさん人が死んで もっとたくさん悲しむだけじゃん 四方田栄子(埼玉県13歳)


<そのほか>
つらい時は命のこと考えるのに、楽しい時には考えないのなぜだろう? 東友香(滋賀県15歳)

今日、あなたと目が合った 胸のドキドキが止まらない 私・・・生きているんだ 越川真江(東京都20歳)

うけ継がれてきた いのちの先端、あなたも私もトップランナー 西尾美恵子(福井県31歳)

「誕生日変更のお知らせ 昨日、涙で溺死しました。今日が、私の新しい誕生日です。」 奥村美紀(愛知県30歳)

自分の「いのち」より、守りたい「いのち」が見つかったよ。ちょっと成長したかなあ。後藤幸恵(熊本県15歳)