なぜ人はこんなに争ってばかりなんでしょうか

トランプ米国大統領やジョンソン英国新首相などの行動を

見聞きするにつれ、表題のような疑問が湧いてきます。

その解答のきっかけになりそうな図書を紹介します。

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「和解する脳」(東大教授池谷裕二・弁護士鈴木仁志著、講談社、2010年発行)

**************(以下、上記図書より抜粋)

「いまを生きているわれわれは、みな太古の昔に生まれた微生物の末裔。その微生物たちは、30数億年もの長きにわたり一度もとぎれることなく生命の襷を繋ぎ、しまいには協力的な恩返し社会まで作ってしまった、、、。

互恵的利他行動、すなはち助け合いと恩返しが人間の一つの

本質的特徴なのだということを初めて進化生物学から学んだとき、むつかしい言葉の並ぶ科学書を読みながら、なぜか涙がでそうになりました。

進化生物学の考え方によれば、ヒト(ホモ・サピエンス)は、同胞とともに社会を作り、助け合い、共存を図るという戦略によって、他の生物とは異なる特徴的な発展を遂げることに成功したようです。そうだとすれば、人間の遺伝子や脳には、共存に適した社会関係を維持するためのプログラム、もっと言えば、「仲直り」を促進するためのプログラムも備わっているとは考えられないだろうか。

紛争を数多く扱ってきた実務家としては、経験的・直観的にも、人間には「和解」に対する欲求と能力が備わっているように思えてなりませんでした。たとえ紛争が発生したとしても、人間本来の社会的な解決能力をうまく引き出すことができれば、あたかも身体において自然治癒力が働くように、紛争は解決の方向へと動き始めるのではないか。これが私の考える平和的紛争解決の出発点でした。(鈴木仁志の「あとがき」より)

******************(以上、上記図書より抜粋)